2016年7月5日火曜日

MTBフロントフォーク塗装テスト 実施


MTBフロントフォーク塗装テスト」

 

 こんにちは。暑くなりましたが、みなさん体調は大丈夫でしょうか?

 製造部HM(仮名)です。

  今回紹介させていただくのは、社内粉体塗装設備で塗装いたしました、トライアルMTBのフロントリジッドフォークです。

  タイヤをまたぐようにして二股になっている、マンドラゴラのような形をした、そう、あの部品です。

  テストサンプルは十年以上放置した物で、初期はアルミのポリッシュ仕上げでした。

 

 ご存じの方もいるかと思いますが、アルミ表面はけっこう酸化しやすく、クリヤ塗装が紫外線により劣化した後は、カビ状の腐食構造が成長し、粉を吹いてしまいます。

(ごめんなさい処理前の写真撮影忘れました。)

 
グラインダ作業後の画像はこちら、輝きを取り戻し、いい感じです。



養生後がこちら、

 

粉体塗装は、微小な粉末を静電気によりワークにくっつけ、その後、加熱により塗料を溶融させ塗膜を形成する塗装方法です。
 
利点としては、下記のような特徴があります。
     密着力が高く、はがれにくい。
     塗膜強度が高く、ぶつけ、こすれによる剥がれに強い。
     有機溶剤を使用せず、揮発による微細小孔が存在せず、機械的な防錆性能は高い。
 
欠点としては、
     加熱炉に入る大きさまでしか処理できない。
     加温回数が発色に影響する為、マスキング等による重ね塗りは難しい。(黄ばみが発生する為)
     有機溶剤による塗料に比べ、選べる色や光沢の種類が少ない。
 
といった点があります。
自転車の部品など、機械的に使用される部品には、比較的適合する処理です。

こちらは塗装中。これから加熱炉に移し、規定温度まで昇温させ,冷却により塗膜が考課したら完成です。
ということで、仕上がりがこちら。
アップにすれば分かりますが、これも粉体塗装の特徴として、細かいところまで均一に塗料が回っています。
見ての通り、凸凹があっても膜厚にムラがありません。
 
さっそく、スタンバイ済みの放置バイク(少々磨き、一部部品交換済)にインストールします。
完成です。
 フォーク部アップします。
綺麗に出来ました。とても十年放置した錆びだらけの車両だったとは思えません。
 
今回の塗装はテストであり、一般からの受注の可能性をさぐる試みで、まだ現在は一般からの依頼を受けてはおりません。
 ネックとなるのは、主に経済性です。
 粉体塗料はある程度ロットが大きい量での発注になり、小売に対応されていません。塗料の費用が使用量に対して高くなりがちです。
 もうひとつは加熱炉のサイクルで、少量で炉を稼働すると、燃料消費と稼働時間に対して、極端に出来高が少なくなる、という事態になります。
 逆に言えば、十分な費用をいただければ、単品での対応も可能ということになりますし、
ロットがまとまれば安く上げることも可能です。
 
もし興味がある方があれば、ご一報ください。   TEL:0897-37-1111